お困りのことは?尿に血?が混じった時、驚きます。さて何が原因でしょう?

    泌尿器科

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1)まず本当に血尿(尿の中に赤血球が混ざった状態)なのか鑑別します。
肉眼的血尿を見た場合、ビリルビン尿、ポルフィリン尿、食物や薬剤による着色尿を鑑別します。また子宮、膣からの出血が尿に混じて、血尿と勘違いされる方もいらっしゃいます。尿潜血陽性の場合、ミオグロビン尿、ヘモグロビン尿と鑑別します。
2)血尿だった時
血尿の4大原因は、悪性腫瘍、尿路結石、尿路感染症、糸球体性血尿(腎臓にある細い毛細血管の球形の塊で超小型の血液ろ過装置である糸球体が傷んでそこから出血している血尿)です。
肉眼的血尿は悪性腫瘍の可能性が高いため、まず悪性腫瘍を否定するために、検査をはじめます。出血傾向のある方(例えば血友病や抗凝固薬を服用している)でも血尿が出現する場合もあります。外傷、前立腺肥大症、血管病変(ナットクラッカー現象,腎梗塞、腎動脈瘤、腎動 ・静脈血栓症、腎動静脈奇形または腎動静脈瘻)、嚢胞腎、腎乳頭壊死、遊走腎、医原性(尿道カテーテル、前立腺針生検後など)、非感染性膀胱炎(薬物や放射線:骨盤内への放射線治療後)でも血尿が出ることがあります。尿道カルンクル(女性の良性尿道腫瘍で最も多く、血管成分に富み、出血が来院する原因になることが多いです)でも血尿が出ます。激しい運動で一過性の血尿が出ることがあります。
血の塊(凝血塊)があれば、糸球体腎炎ではありません。一日の蛋白尿が500mg以上、有棘赤血球(赤血球が棘(とげ)を出している形に見えます)、赤血球円柱のいずれかがあれば糸球体性血尿を考えます。
3)報告されている無症候性顕微鏡的血尿(目で見て尿に血が混ざっていないように見えます)の有病率は1.7%から31.1%であり、日常の臨床現場では4%から5%の有病率が現実的であると考えられています。
4)無症候性顕微鏡的血尿で尿路腫瘍が発見される頻度は0.6~12.5%と報告によりばらつきがあります。
5)肉眼的血尿(目で見て尿に血が混じっていると分かります)から尿路腫瘍が発見される頻度は12.9~31.7%と報告によりばらつきがあります。50才以上ではリスクが高くなります。40才以上、喫煙者では膀胱鏡の適応となります。
6)側腹部痛があれば、尿路結石、腎塞栓症、腎外傷などを考えます。
7)最近の感冒様症状はIgA腎症や感染後糸球体腎炎の最初の兆候かもしれません。
8)頻尿、発熱、悪寒は感染症を示唆します。
9)排尿困難、頻尿があれば、前立腺疾患、尿路結石、尿路感染症などが示唆されます。
10)側腹部腫瘤があれば、嚢胞腎、水腎症、腎嚢胞、腎腫瘍、腎静脈血栓症なを考えます。
11)発疹、関節痛、レイノー現象などは、膠原病や血管炎を示唆します。
12)高血圧があれば、糸球体腎炎、嚢胞腎、膠原病、腎動静脈奇形などを考えます。
13)触知可能な紫斑は血管炎を示唆します。
14)腎疾患では顔面にも浮腫が生じることがあり、ひどくなると全身に浮腫が起こります。
15)前立腺肥大症などで尿閉となった場合、ひどくなると浮腫が生じます。


*肝臓病、胆石などで、血液中のビリルビンが上昇したとき、黄疸(皮膚や白目が橙色、黄色になる状態)が現れます。尿にもビリルビンが排出され、茶~黄褐色尿が認められます。また泡だちやすいです。

*ポルフィリン症とはヘム合成回路の酵素が機能しない、先天的または後天的な疾患です。褐色尿、ポートワイン尿が認められます。

*横紋筋融解症などで、筋肉の損傷があった時、筋肉に含まれる色素ミオグロビンが尿に出現します。尿の色は褐色に近い色をしています。

*溶血性貧血などの原因で赤血球が破壊されヘモグロビン(血色素)が尿中に出てきたものです。尿は赤~暗褐色尿を呈します。

問診・診察
上記にあげたものなどを問診・診察していきます。家族歴(例えばアルポート症候群:難聴や視力障害を伴う遺伝性の糸球体腎炎、肉眼的血尿は33%に認められる)、喫煙歴、職業歴(膀胱癌と関連する化合物:芳香族アミン、アニリン染料、硝酸塩など)、血圧を確認します。倦怠感、便通、体重の変化、睡眠の状態、体温、皮膚の発疹、浮腫、関節痛、レイノー現象、腹部腫瘤、排尿の状態、肋骨と脊柱との間の痛みなどを確認します。

検査

検尿(尿蛋白の有無、赤血球円柱の有無、炎症所見、感染の有無、血尿の程度など)、尿細胞診(膀胱腫瘍などで陽性に出ることがあります)、尿培養(感染の原因を特定します)。

採血(腎機能、糸球体腎炎の検査{抗糸球体基底膜抗体、抗好中球細胞質抗体、補体濃度、クリオグロブリン、肝炎の検査、エイズの検査、梅毒の検査、溶連菌感染症の検査}などを検査します。)---糸球体性血尿の場合、これらの糸球体腎炎に関する検査をする前に腎臓内科に紹介することも良くあります。

膀胱鏡(非糸球体性血尿の場合、特に40才以上の方は膀胱腫瘍の有無、出血部位の確認などを検査します。)

画像診断(静脈性腎盂造影、CT、MRIなどを検査します。)

治療
治療はそれぞれの病気に応じてその治療を行います。
膀胱腫瘍(膀胱癌)とは
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前立腺腫瘍(前立腺癌)とは
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