虫に刺されました(虫刺症)、腫れて、かゆいです-大和クリニック-木更津市の皮膚科

虫刺症とはどのようなものですか?

ハチ、クモ、ムカデなど(刺咬性節足動物)や、カ、ブユ、ノミ、トコジラミ、ダニなど(吸血性節足動物)の刺咬、吸血によって生じる皮膚炎です。毛虫や蛾による有毒毛との接触による皮膚炎も広い意味で虫刺症です。

節足動物由来の毒成分による刺激反応と毒成分や唾液腺成分に対するアレルギー反応による皮膚炎です。

虫刺症(虫刺され)による症状はどういうものですか?

1)刺激反応:刺咬直後に痛み、発赤、腫れが起こります。

2)アレルギー反応:刺されたり、咬まれたり、血を吸われたりした直後から30分以内にかゆみを伴うミミズ腫れや赤いはんてんが出現し数時間で軽快する即時型反応と、12時間から48時間後にかゆみを伴う赤いはんてんやブツブツが出現し数日~1週間で軽快する遅延型反応があります。ときにはひどい腫れ、水ぶくれ、紫斑が出現します。人により即時型、または遅延型、またはその両方が出現します。乳幼児期には遅延型反応のみ、幼児期から青年期には即時型反応と遅延型反応の両方、青年期から壮年期には即時型反応のみ、老年期にはいずれの反応も起きにくいようです。ネコノミやイエダニなどは遅延型反応だけ出現する場合が多く、血を吸われたことに気づかない人が多いです。ブユでも通常は刺されている時は痛み、かゆみをほとんど感じず、刺されて半日くらいすると刺された所が赤く腫れて次第に激しいかゆみを生じます。そして、赤いしこりができて長く残る人もいます。

3)アナフィラキシーショック:一度ハチ、ムカデに咬まれたことのある人は、二回目以降に咬まれるとアナフィラキシーショックになるかもしれません。ハチ、ムカデなどでは血圧低下、意識消失や呼吸困難などの症状を起こすかもしれません。ムカデの毒素もハチの毒素と共通する物が多いです(活性アミン類、低分子ペプチド、酵素 類)。

4)痒疹:通常は、長くても1~2週間で治りますが、かゆみのため掻くことを続けていると慢性化し刺された部位が硬くなり、痒疹(ようしん)になる場合もあります。

5)感染を媒介:マダニの種類によってはツツガムシ病、ライム病や日本紅斑熱などの感染症を媒介することがあります。主なカが媒介する感染症には、ウイルス疾患であるデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、原虫疾患であるマラリアなどがあります。

6)重症蚊刺アレルギー(蚊アレルギー、蚊刺過敏症):カに刺された後、局所に水ぶくれや壊死を伴う激しい炎症反応が起こり、さらに発熱、リンパ節腫脹、肝機能障害などの全身症状を来す病気です。

咬まれる、刺される部位はどこですか?

露出部:カ、ブユ、トコジラミでは露出部です。

下腿、足:ネコノミでは地面、床に近い部位です。ノミがジャンプ可能な高さ未満である下腿に好発します。

非露出部:イエダニでは非露出部に多いです。

虫刺症における生活上の注意点はどういうものですか??

1)野外活動や庭仕事をするときは、長袖、長ズボン着用して、肌の露出を避けてください。ハチの巣には近づかないようにしてください。ハチよけのため、黒い服装は避けてください。

2)露出部には虫除け(市販の忌避剤:ディート、イカリジン)を使用してください。

3)カ、トコジラミ、イエダニなどでは、駆除に薫陶型または待ち伏せ型の殺虫剤を使用してください。トコジラミは殺虫剤に抵抗性があるため、トコジラミ専用のものを使用してください。

虫刺症の治療はどうするのですか?

1)ステロイド剤の外用

2)抗アレルギー剤の内服

3)ステロイド剤内服(短期間)

4)ステロイド剤の局所への注射

5)アナフィラキシーショックに対してはその治療を行います。

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