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カニ、エビなどのアレルギー(食べたくても、食べれない)

エビ、カニ、ロブスター、シャコなどの食物アレルギー(甲殻類アレルギー)

グラコロへの挑戦


甲殻類アレルギーは、乳幼児期は多くありませんが、学童期以降に増えてきます。

新しく出てくる食物アレルギーとしては、7~17才では果物類に次いで甲殻類アレルギーが2位、18才以上では、1位に甲殻類アレルギーが位置します。


どのような症状が出るのでしょうか?

皮膚症状:かゆみ、じんましん、むくみ、発赤、発疹など

眼の症状:白目が赤くなる、まぶたが腫れる、涙がでるなど

鼻の症状:鼻水がでる、鼻がつまる、くしゃみが出るなど

口、のどの症状:口、のど、唇、舌の違和感、腫れなど

呼吸器症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、息苦しさ、ゼーゼーするなど

消化器症状:下痢、吐き気、嘔吐、便に血が混じるなど

神経症状:頭痛、元気がなくなる、意識もうろう、尿を漏らすなど

循環器症状:血の気が引く、脈が速くなる、遅くなる、手足が冷たくなる、顔が蒼白になるなど


はじめは皮膚症状が高率に認められます。急に複数の臓器に症状があらわれる時アナフィラキシーと言います。血圧が下がり、意識が低下など現れ、急激に全身の症状が進行する場合をアナフィラキシーショックと言います。コロナワクチンで有名になりました。


食物依存性運動誘発アナフィラキシー

特定の食物(小麦、甲殻類、果物など)を摂取後に運動することによってアナフィラキシーが誘発される病気です。特定の食べ物を食べただけでは症状は出ませんが、特定の食べ物を食べたあとに運動をすると症状があらわれるという特徴があります。原因食物摂取から2時間以内(6時間後に起こした例もあります)に誘発されることが多いです。感冒、睡眠不足や疲労などのストレス、月経前状態、高温、寒冷、乾燥、非ステロイド性抗炎症薬、飲酒や入浴なども発症の誘発因子となります。初めて発症する年齢は10~20才代に多いです。


エビまたはカニどちらかにアレルギーがある場合、もう片方にアレルギーがでることが多いです。トロポミオシンというタンパク質がエビ、カニのアレルギーの原因で、互いのトロポミオシンというタンパク質の構造が非常に似ていて、片方にアレルギーがおきると、もう片方にも起きることが多いのです。

トロポミオシンは熱に強く、加熱してもアレルギーが減りにくいです。

トロポミオシンは、イカ、タコ、ダニにも含まれます。これらはエビとカニほどの類似性はありません。一応念頭におく必要はあります。


グラコロへの挑戦

A君はエビ、カニアレルギーの持ち主でした。30才頃に発症して、その後エビ、カニは一切食しませんでした。10年ほど経過して、奥さんがグラコロをおいしそうに食べている所をみて、アレルギー検査を受けました。10年前に強陽性だった反応が今回は陰性でした。そこでA君は思いきってグラコロを食べてみました。1回目、何も起きません。2回目も何も起きずに美味しく食べました。3回目、残念ながら期間限定でグラコロの販売が終わっていました。来年は?


A君の場合、たまたまアレルギーは起こりませんでしたが、アレルギー検査で陰性でも必ずしもアレルギーが出ないとはいえません。またアレルギー検査で陽性でも必ずしもアレルギーが出るとは限りません。


寛解

卵・牛乳・小麦・大豆など、乳児期に発症する食物アレルギーの特徴は耐性の獲得といい自然に良くなることで、1才時に食物アレルギーと診断されてもそのうちの9割の人は遅くとも小学校入学時までには自然にその食品を食べられるようになると考えられています。

魚類・エビ・カニ・果物・小麦などは、耐性を獲得していくことが少ないと考えられています。


グラコロには特定原材料7品目のうち、卵、乳、小麦、エビ、カニが含まれます。

特定原材料7品目とは容器包装された加工食品で表示が義務づけられているアレルギー物質で、卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そばの7品目です。


しらすやちりめんじゃこには、小さなエビやカニが混入していることがあり、また、かまぼこ、ちくわ、つくねなど、魚のすり身を原材料としている場合も、その魚が餌としてエビを食べていることがあります。これらの食品には、「当製品にはエビやカニが含まれています」「当製品で使用している(原材料)はエビを食べています」などと記載されることがあります。調味料に含まれる甲殻類のエキス、スープなどエビやカニを意識できないものに注意する必要があります。カニカマはカニのかまぼこの略称ですが、高級品(カニエキスなどが混ぜてあったりする)以外、カニは含まれていません。


診断

食べた食品の内容を確認し、血液検査で特異的IgE抗体検査によって確認することで推測することができます。皮膚プリックテストを行うこともあります。確定診断は、その食品をごくわずかの量を食べてみて症状があらわれるかどうかを確認する「食物経口負荷試験」という検査が必要です。専門の病院での検査になります。


治療

除去療法

A君のようにその食品を食べないようにすることです。


症状に対しての治療

じんましん、喘息などが出現した場合は、抗ヒスタミン剤や気管支拡張薬の吸入療法 など、症状に応じてその治療をします。


アナフィラキシーが出現した場合

アドレナリンを注射します。アナフィラキシーが起きたことがある患者様は、日常生活でアナフィラキシー反応が生じたときに自分で治療薬(アドレナリン)を注射するために、アドレナリン自己注射薬(エピペン®)の処方を受けることが望ましいです。


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