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サドルが怖い(会陰部痛:えいんぶつう)

男性の場合、会陰は陰嚢(いんのう)と肛門の間、女性の場合、会陰は膣口と肛門の間を指します。


Dさんは朝早く自転車通勤中に、サドルに当たると違和感を感じましたが、特に気にすることもなく会社に着きました。なんとなく変だったので、椅子に座るときは、片方のお尻に重心をかけて座り仕事をしました。帰り道も不快感がありましたが、そのまま自宅に到着しました。翌日も同様に終わりました。翌々日帰り道で強い痛みが出現しました。サドルに当たらなくても痛みました。自宅に帰り、おしっこをするときに痛みがでて、おしっこが近くなり、だるさと寒気があるため熱を測ると39度近くの熱が出ていました。クリニックに行くと急性前立腺炎と診断され、抗生物質で治療され長引き増したが、治りました。今ではサドルに恐る恐る座る毎日です。


会陰部痛の鑑別診断は広範囲にわたります:消化器科、肛門科(痔核など)、泌尿器科(間質性膀胱炎、前立腺炎、精嚢腺炎、前立腺癌など)、婦人科、および糖尿病やエイズなどの痛みを伴う末梢神経障害に関連する全身性疾患、会陰または近くの領域に膿瘍、外傷、陰部神経絞扼(これは骨盤の神経損傷です。周囲の筋肉や組織が神経を圧迫し、痛みを引き起こします)


急性前立腺炎(通常は突然の重篤な症状を伴う前立腺の細菌感染症)


男性の膀胱のすぐ下には、正常ではクルミほどの大きさの前立腺(年とともに前立腺が腫大して、前立腺肥大症になることがあります)があります。膀胱(尿道)から尿を排出するチューブの上部を囲んでいます。前立腺やその他の性腺は、射精中に精子を輸送する液体(精液)を生成します。


一般におしっこの通り道から、精液を作る前立腺へ細菌がはいり引き起こされます。重症な例では敗血症(体の中で細菌やウイルスが繁殖し、生命を脅かす状態です)を引き起こします。原因菌は尿路感染症と同じで大腸菌が多いです。その他緑膿菌、クレブジエラ、グラム陽性球菌などです。


自覚症状

頻尿(おしっこが頻回に出る)、排尿痛(おしっこをするときに痛い)、悪寒戦慄を伴う発熱、会陰部痛、下腹部痛、射精時痛(精液を出すときに痛い)、尿意切迫感(急に起こるおさえられない尿意 )、排尿障害(おしっこがでにくい)、時に尿閉(膀胱に尿がたまっているのに、尿をまったくまたはほとんど排出できなくなった状態)


診察

直腸から前立腺を触ると前立腺に痛みがあり軟かく、熱感もあります。また前立腺が腫大しています。


検査

検尿で膿尿(膿がはいった尿)、細菌尿を認めます。血液検査で末梢白血球が増え、好中球の左方移動(左方移動は好中球消費を意味し、成熟した好中球に比べて幼若な好中球の比率が増大すること意味します)を認めます。炎症反応を現わすCRP上昇、血沈亢進を認めます。超音波検査で前立腺の炎症所見があります、膿瘍(膿が前立腺にたまってないか)も調べます。急性腎盂腎炎との鑑別も行います。その他の画像検査もすることもあります。


治療

抗菌薬による治療は14日から28日行われます。


慢性前立腺炎{(慢性細菌性前立腺炎(通常はそれほど重篤でない症状を伴う進行中または再発性の細菌感染)、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(進行中または再発性の骨盤痛、および感染の証拠のない尿路症状)}


自覚症状

会陰部痛、陰茎の疼痛、陰嚢部痛、下腹部痛、骨盤周囲の疼痛、排尿時痛、射精時痛、頻尿、残尿感などを主症状とする病気です。発熱を伴うことはありません。


診察・検査

慢性前立腺炎には確定診断を行う検査がなく、除外診断が重要です。つまり尿路結石症、膀胱癌、前立腺癌などがないとした上で診断されます。直腸診、検尿、血液検査、超音波検査、CT検査なども行うことがあります。


治療

慢性細菌性前立腺炎では抗菌薬の投与を4~6週間行います。抗菌薬以外にα1遮断薬などの併用が必要となることもあります。

慢性非細菌性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群では標準的な治療はありません。α1遮断薬、5α還元酵素阻害薬、植物製剤、鎮痛薬、抗菌薬、漢方薬、抗コリン剤、三環系抗うつ薬、筋弛緩剤などを併用して治療して行きます。


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