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前立腺がん
前立腺とは?(女性にはありません)
前立腺は膀胱の下にあり、正常では栗の実大の臓器で、精液の一部である前立腺液を作っています。また尿道を取り囲んでいるため、前立腺肥大症、前立腺がんなどで前立腺が大きくなると尿道を圧迫し、排尿の勢いが悪くなったりします。一部が直腸に接しているため、直腸の壁越しに指で触れることができます。前立腺がんの場合、典型的には石様の硬さで触れます。
疫学
前立腺がんは日本の男性の中で、最も多く診断される癌(がん)の一つです。
年齢とともに罹患率は上昇します。
前立腺がんの家族歴は罹患リスクを2.4~5.6倍高めます。
ハワイ在住の日本人は日本在住の日本人より、前立腺がんの罹患率が高いです。しかしハワイ在住の白人よりは低いです。環境要因が発生に関連していると考えられています。
*罹患率:病気にかかる割合。ある期間内(多くの場合1年)に発生した患者数をそれに対応する人口で割ったもので、疾病の発生率ということもできます。
診断
早期の前立腺がんには前立腺がん特有の症状がないため、検診、人間ドックでのPSAの値から診断されることが多いです。前立腺液には、PSAというタンパク質が含まれていて、ほとんどのPSAは前立腺から精液中に分泌されますが、ごく一部は血液中に取り込まれます。このPSAが前立腺がんでは値が高くなることが多いです。
骨転移がある進行した癌では、腰痛など転移部位の疼痛を訴えて、診断に至る場合もあります。
問診、直腸診(肛門から指を入れて前立腺を触ります)、採血(PSA検査を含め)、超音波検査、MRI検査などを行います。その結果前立腺がんが疑わしいときは、前立腺生検(病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査、癌の悪性度も調べます)を行い診断を確定します。
病気の進み具合は、CT,骨シンチグラフィ、MRIなどを用いて調べます。
治療
前立腺がんでは、前立腺がん自体で死因となることは多くなく、生活の質を考慮して治療を決めて行きます。
監視療法、手術療法、放射線治療、ホルモン療法、化学療法があり、単独またはこれらを組み合わせて治療を行います。