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性器ヘルペス(陰部にブツブツがたくさんできて痛いです)

HSさんは、遊びに行きました。オーラルセックスなら大丈夫だと思っていました。しかし陰部にピリピリ、チクチクとしたうずきが出た後、小さな赤いはんてん、ぶつぶつ、水ぶくれができ、やがて破れて丸い潰瘍になりました。少し様子をみていましたが、我慢できずクリニックを受診しました。性器ヘルペスの初感染と診断されました。その間、熱がでており、また鼠径部のリンパ腺が腫れていました。


性器ヘルペスはヘルペスウイルスが性器に感染することによって引き起こされるウイルス性の疾患です。性器ヘルペスウイルスのタイプは2つあります。単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)は通常、口から口への接触によって伝染し、口の中または周囲に感染を引き起こします(口唇ヘルペス)が、性器ヘルペスを引き起こすこともあります。単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)は主に性感染し、性器ヘルペスを引き起こします。

性器に明らかな病変がある場合のみならず、無症状でも性器の粘膜や分泌液中にウイルスが存在する場合には感染します。 また唾液中に単純ヘルペスウイルス が排出 されている場合には、オーラルセックスによっても感染します。相手への感染の69%はウイルスの明らかな病変がない時に起きています。


3つの感染タイプ


初感染初発(初めて感染した時、重い症状を起こすことがあります)

約70%の方が無症状のまま経過します。感染して2~10日たって、男性の場合、陰茎、亀頭、包皮、女性の場合、陰唇、膣、会陰、子宮頸部、膀胱にかゆみ、違和感を伴い、1~2mmのたくさんの赤いはんてん、ブツブツ、水ぶくれができ、数日で水ぶくれは破れて丸い痛みを伴う浅い潰瘍となります。両側性に水ぶくれができることが多いです。おしり、肛門周囲、ふとももに出来ることもあります。アナルセックスをする人では、直腸に起きる事もあります。1週間後ぐらいに最もひどくなります。しばしば発熱などの全身症状を伴います。また股の付け根のリンパ腺(鼠径部のリンパ腺)が腫れます。約2~3週間でかさぶたができ、治ります。抗ウイルス薬の使用で1週間ほど治癒が早くまた軽くなります。痛みが強い場合、背骨を通っている神経が損傷(仙骨神経根障害)した場合、おしっこするときに痛かったり、おしっこがでづらくなったり、うんこがでづらくなったりすることもあります。一般的に女性の方が重症になりやすいです。初感染時に抗ヘルペス薬で徹底的に治療して、潜伏するウイルスの数を減らすことが、将来の再発頻度を減らすことにつながります。


再発

ヘルペスウイルスは性器に感染すると、性器周辺の神経をつたって骨盤の中の神経節(脊髄後根神経節)に潜伏します。ひそんでいるヘルペスウイルスは、心身の疲労、睡眠不足、月経、性交、日焼け、手術などのストレスを引き金とし再び神経をつたって性器ヘルペスとして症状がでてきます。これを再発と言います。再発部位は同じ部位のことが多いです。しかし他の部位、おしり、ふともも、肛門周囲、腰などに再発することもあります。再発の数は1~数個で、発熱やリンパ節の腫れはないことが普通です。多くは治癒まで1週間程度です。抗ウイルス薬が効果があります。水疱ができる数時間から2~3日前に、前駆症状としてチクチクした感覚や不快感、かゆみ、うずくような痛みなどの症状が起こることもあります。単純ヘルペスは再発を繰り返すことが特徴です。HSV-1によって引き起こされる性器ヘルペスは、通常、頻繁に再発することはありません。HSV-2では、再発性の症状がよく見られます。ただし、再発は多くの場合、最初のエピソードよりも重症度が低く、時間の経過とともに減少する傾向があります。


非初感染初発

感染した時は無症状でしたが、全身のあるいは局所の免疫力が低下して、ひそんでいた単純ヘルペスウイルスが再活性化され、症状が初めて出現する場合です。初感染の場合より症状は軽く、治癒までの期間が短いです。人によっては重症になる人もいます。


検査法

種々の検査法があります。最近イムノクロマト法を用いた非常に簡便な迅速キットが使用可能になり、性器ヘルペスの検査も行いやすいものになっています。


治療

抗ウイルス薬の内服が奨められています。

パラシクロビル、ファンシクロビルが推奨されています。

再発の場合、前駆症状が生じた、ブツブツが出現した直後に内服を開始すべきです。遅くとも発症してから2~3日以内に服用することが重要です。

特に理由がなければ、塗り薬より内服の方を優先すべきとされています。


再発抑制療法

年6回以上再発する性器ヘルペスで、症状があらわれる前にウイルスの増殖を抑える「再発抑制療法」という治療法があります。バラシクロビル(バルトレックス®)500mg1日1錠ずつを毎日1年間服用する方法です。1年間服用した後、休薬します。この再発抑制療法により、免疫力が正常な患者さんを対象とした海外の臨床試験では、バラシクロビルを毎日飲まなかった人と飲んでいた人を比べた場合、1年後に1度も再発しなかった割合が、飲まなかった人が5.4%だったのに比べ、飲んでいた人は40%に増加し、再発リスクが71%低下したことが報告されています。また、同薬の継続的な服用により、性行為時のパートナーへの感染も予防できることが明らかになっています。しかし、もともと年10回以上再発があった方は、抑制療法中でも再発することがありますが、症状は軽度で済みます。


待機的再発抑制療法

1年に3回以上再発する性器ヘルペスで、再発の初期症状(ピリピリ・ムズムズなどの前駆症状)を正確に判断できる人の場合

ファムシクロビル(ファムビル®)を初期症状発現後すぐ(6時間以内)に4錠服用(1回目)し、1回目の服用から12時間後に4錠服用(2回目)で完結します。この治療の特徴は、再発の早い段階のときに患者さんの自己判断で2回内服するだけで治療できる点で、この治療により、病変部位が治癒するまでの期間、ウィルスが消失するまでの期間、完全痂疲化までの期間が早まります。ただし服用しても、水ぶくれなどの症状が出る場合もあります。服用を終えたら、次回の再発時用に処方をしてもらいます。次の再発の前兆を感じたらすぐに服用できるように、いつも携帯しておくと安心です。(マルホホームページより)



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