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腹圧性尿失禁(くしゃみをするとお漏らしをする)

更新日:2021年11月25日

おなかに力が入ったときに尿もれしてしまう状態です。

膀胱頸部と尿道が適切に閉じることができない場合に発生します。


症状は?

労作時、運動時(バレーボールなど)、重いものを持ち上げた時、くしゃみ、咳の際に、意図せず尿漏れが起こるものです。

一般的に漏れる量は少しのことが多いです。安静臥床時は尿が漏れないのが特徴なので夜間の漏れは昼間より少ないです。

軽い人はひどい咳をしたとき、スポーツをしたときだけ起こりますが

重い人は駆け足、歩くだけでも起こります。

全成人女性の25%に認められる状態です。


原因は?

妊娠、出産、閉経による女性ホルモンの枯渇、肥満、加齢、喘息や花粉症などの影響で骨盤底の靭帯や筋膜が緩むと腹圧が加わった時に尿道などの構造が下に移動し、尿道が膣側に下がって開き安くなり、弱くなった骨盤底の筋肉を通って膨らむ(ヘルニアになる)とき、尿道の過可動(尿道がグラグラ動く)と言われます。尿失禁の一因となります。

手術後、放射線治療などで、尿道の括約筋自体が弱くなり内因性括約筋不全を来すことも

一因となります。また両方が混在することもあります。

骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こります。男性では前立腺肥大症、前立腺癌の手術後に起こる事があります。

腹圧性尿失禁を有する女性のうち、約30%に切迫性尿失禁が合併します。

切迫性尿失禁とは、強い尿意のため我慢できないで、トイレで尿をする前に漏れて状態です。 

我慢が難しい、尿漏れの量が多い、夜間2回以上の起きる場合は切迫性尿失禁の合併を考える事になります。

 

検査は?


排尿日誌:多尿、頻尿、膀胱容量の評価

ストレステスト:200~300ml程度、膀胱に尿が貯留した状態で、砕石位で、腹圧をかけ尿漏れの程度を確認するテストです。


1時間パッドテスト:あらかじめ重量を測定しておいたパッドを装着し500mlの水分をとり尿失禁を誘発する動作を行い、尿失禁量を測定するものです。(24時間パッドテストもあります)


尿流測定、残尿測定:1時間パッドテスト終了時に行います。

尿流測定で尿排出障害や溢流性尿失禁との鑑別が出来ます。

残尿測定で残尿量が分かります。排尿後、下腹部からの超音波検査ないしカテーテルを用いて、残尿を測定します。50ml未満の残尿は問題になく、残尿が50~100mlの場合は軽度,100ml以上なら中等度以上の尿排出障害があると考えます。

経会陰式超音波検査:尿道過可動の評価をします。


治療は?


減量


腹圧性尿失禁の治療の基本は骨盤底筋体操です。

骨盤底筋体操とは、肛門や膣を約10秒間締め、その後数十秒緩めるという運動を10回繰り返し、これを1日5セット行うものです。


電気刺激療法(干渉低周波療法)

磁気刺激療法


薬物療法:β作動薬(クレンブテロール錠)


手術療法

中部尿道を吊り上げる方法:中部尿道スリング手術(TVT手術、TOT手術)

尿道粘膜下注入術(コラーゲン注入、ヒアルロン酸注入)

レーザー手術


前立腺手術後:人工尿道括約筋埋め込み術



 


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