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顔が赤くなりました。どうしたらいいですか?

ある朝起きたら別人だった。前の日は歯医者で処置を受けていた。左のほほを中心に赤く腫れて、左目があけにくかった。ほほを触ったら熱かった。痛かった。熱をはかると38.3度あった。だるかった。外に出るのは恥ずかしかったが、今はマスクをしているのが普通なので、そんなに目立たないと考えた。クリニックに行くと丹毒と言われた。なんか嫌な病名だった。繰り返し再発することもあると言われ、げっそりした。


1)感染症


急に片側(両側の場合もあります)が赤くはれて痛がゆく、さわると熱を持っているとき、頻度の高い疾患は丹毒、蜂窩織炎など細菌感染症です。発熱、悪寒、倦怠感があるかもしれません。顎(あご)周辺にリンパ腺の腫れを触ることがあります。血液中の白血球数の増加、CRP上昇などの炎症反応が認められます。



溶連菌という細菌が表皮の下(内側)にある真皮【肌(皮膚)の本体】を主体に感染を起こしているのが丹毒です。(ブドウ球菌などのこともあります)辺縁ははっきりしており、皮膚がオレンジの皮様にみえます。


ブドウ球菌という細菌が真皮の下(内側)にある皮下脂肪組織を主体に感染を起こしているのが蜂窩織炎です。(連鎖球菌などのこともあります)辺縁がぼやけています。


赤み、痛みが強く、しばしば赤いはんてんの上に水ぶくれができ、出血した後があり、線状に赤いはんてんが伸びている場合、丹毒のほうが疑いやすいです。


家族からうつった場合や、歯科関連の感染、耳鼻科関連(副鼻腔炎)から起きてきている場合もあり、注意が必要です。


赤いはんてんができる2~3日前に痛みがあり、痛みは赤いはんてん以外でもあり、リンパ節の腫れがあって触ってもそれほど痛くなく、口の中にはんてんや水ぶくれがあるとき、帯状疱疹を考えます。帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス感染症です。水痘・帯状疱疹ウイルス似た単純ヘルペスウイルスにより赤いはんてんができていることもあります。


痒みがあり、赤い輪のようなはんてんがあり、ふちが凸凹し、やや盛り上がっている、フケのようにボロボロはがれ落ちる箇所がある場合、顔の水虫を考えます。足にも水虫がある人が多いです。


平手うちのような、うすい赤いはんてんが両側にあり、口のまわりは赤くなってない、痒みがふつうない場合、伝染性紅斑(りんご病)を考えます。両頬がリンゴのように赤くなるためリンゴ病ともいわれます。7月頃に流行のピークが見られます。軽い発熱と倦怠感が先行し、幼児期、学童期によく見られます。四肢やおしりにレース状、網目状の赤いはんてんが出現します。成人に見られた場合は、強い全身症状がでます。全身広範囲に必ずしも網目状でないはんてんがでます。ヒトパルボウイルスB19が原因ウイルスです。


2)膠原病(皮膚や内臓の結合組織【いろいろな組織の間にある膠原線維などからなる部分】や血管に炎症・変性を起こし、さまざまな臓器に炎症を起こす病気の総称です)


鼻の根元を含め両側のほほにびまん性の赤いはんてんを認め、チョウが羽を広げたように見える(蝶形紅斑)場合、全身性エリテマトーデスを考えます。必ずしも典型的な赤いはんてんとは限りません。ふつう自覚症状はありません。発熱、関節痛などがある場合もあります。


蝶形紅斑は皮膚筋炎でもみられる場合があります。よりむくみがあり、やや紫がかった点が全身性エリテマトーデスと違う点です。またうわまぶたにむくみのある赤いはんてんや、手の指や肘、膝の関節や爪の周りの赤いはんてんや、背中に多数のひっかき傷がある場合、皮膚筋炎が疑わしいです。


ドライアイ、ドライマウスなどがある場合、シェーグレン症候群を考えます。


3)アレルギー


アレルギーの原因となる物質が顔に触れ、触れた部位に赤いはんてん、水ぶくれ、びらんなどがある場合、接触性皮膚炎(かぶれ)を考えます。うるしや化粧品などによります。


光の当たる部位に(露光部:顔、頚、胸の襟より出ている部位、前腕など)一致して赤いはんてんやブツブツができている場合、光線過敏症(日光アレルギー)、光線過敏型薬疹を考えます。


4)慢性に経過しているもの


脂漏部位(頭、顔、胸、肩甲骨、脇、そけい、陰部など)に、顔では眉毛の間や、眉毛、ひたいの生え際、鼻のまわり、口のまわり、ほほなどにあわい赤いはんてん、細かい皮が剥けてカサカサした状態があれば脂漏性皮膚炎を考えます。頭ではそれがとれてフケとして認められます。痒みは比較的少なく、慢性的に経過します。酵母様真菌(かび)の一種であるマラセチアの増殖が増悪因子の一つとされています。


顔面、特にほほを中心としたほてり感、赤みがさすことが繰り返し起こることからはじまり、その後持続性の赤いはんてんが認められます。毛細血管の拡張が主体です。これらをみたときは、酒さを考えます。原因は不明です。紫外線や熱などで悪化します。


ステロイド外用剤の副作用として起こり、口のまわりを含むほほ、ひたい、下のあごにびまん性の赤いはんてんとニキビ様のぶつぶつ、うみのたまった水ぶくれが生じていたら、ステロイド誘発性酒さ様皮膚炎を考えます。ステロイド剤の段階的な中止(徐々に作用の弱いものに切り替えていく)が必要です。アトピー性皮膚炎に使用するプロトピック軟膏による酒さ様皮膚炎もあります。


赤いはんてんと腫れが、鼻を除く顔のほぼ全てにできることがあります。体や四肢などに乾燥性の赤い斑点を認め、痒い場合、アトピー性皮膚炎を考えます。乳児はしばしばこのかゆみを伴う赤いはんてんを頬に発症します。赤いはんてんどこに現れても、赤いはんてんのある皮膚は非常に乾燥し、うろこ状になり、かゆみを感じる傾向があります。


眼の周囲、ひたいなどを主として痒みがあり、どの化粧品を使用しても、同じことが起こる場合、洗顔、クレンジングによるこすりすぎを考えます。化粧品を落とす際の過度の摩擦が赤み、痒みを引き起こします。


5)怖い病気


顔面や手足、体幹などに境界がはっきりした、周囲から隆起した赤いはんてんが急に出現し、しばしば痛みや圧痛がみられ、高熱、のどの痛み、関節痛などを伴う場合、スウィート病も考えなくてはいけません。好中球(白血球の一種)の増加があります。約20%の症例で血液疾患や悪性腫瘍を伴います。








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