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Bird-egg症候群(鳥-卵症候群)
卵が先か鶏(ニワトリ)が先か、鶏(ニワトリ)が先か卵が先か (どちらが先かわからない)という問題の例えとしても使われる言葉です。英語では(a chicken or egg situation)、同じような意味の言葉としては堂々巡り(どうどうめぐり)があります。さてBird-egg症候群では、どちらが先でしょうか?
鳥類(セキセイインコ、カナリア、オウム、ブンチョウ、ハト、ニワトリなど)を長年飼育している人で起こります。羽毛や糞便を吸入、接触することで、その鳥抗原(鳥アレルゲン)に対して感作が起こります。感作が成立するまでは数年から数十年の飼育歴が必要です。その鳥抗原と鶏卵抗原が似ているため、鶏卵(特に卵黄)、時に鶏肉を食べた後、即時型アレルギー(摂取後2時間以内)を起こす病態を言います。鳥類の血清アルブミンの相同性が高いことによります。
鶏卵アレルギーは乳幼児期の代表的な食物アレルギーですが、この病気は成人女性に多いです。
感作経路は気道粘膜で、鶏卵や鶏肉を食べた後に口腔内のかゆみや違和感、口唇、顔面のむくみ、蕁麻疹、鼻水、鼻づまり、咳、呼吸困難、嘔吐など消化器症状などが出現するようになります。時にアナフィラキシーショックが起きます。抗原は熱に不安定で卵白よりも卵黄に多く含まれるため、生や不十分な加熱状態で鶏卵(特に卵黄)や鶏肉を摂取すると起こりやすくなります。
問診
ペットの飼育歴
アレルギー症状
検査
抗原特異的IgE検査 卵黄 卵白 鶏肉 セキセイインコの羽毛 ニワトリ羽毛
治療
抗アレルギー剤など
重症ではエピペン携行
予防
鳥類との接触を避ける
卵、鶏肉の加熱処理
*感作とは、繰り返される刺激によって、特定の抗原(アレルゲン)に対しての反応が徐々に増大していき過敏状態になります。抗原が体の中に入ると異物とみなして排除しようとする免疫機能がはたらき、IgE抗体という物質が作られます。いったん感作が成立した後に、再度抗原(アレルゲン)が体内に入ると、IgE抗体がくっつき、マスト細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、アレルギー症状を引き起こします。