勃起したままです。どうしたらいいでしょうか?(陰茎持続勃起症)-大和クリニック-木更津市の泌尿器科

Jさんの出来事

Jさんは勃起がいつになっても終わらないで不安だった。この年になって、俺も捨てたものじゃないとも思ったが、泌尿科医の友達に電話してみた。すぐに大きな病院に行くよう奨められた。

持続性勃起症とはどういう状態をいうのでしょうか?

持続勃起症とは、性的刺激、性的興奮と無関係である勃起が4時間を超えて持続している状態です。

持続性勃起症の頻度は?年齢は?どの位でしょう?

発生率は年間男性10万人あたり0.3~1.0人であると報告されています。一般に、40~50歳の患者に多く発症します。虚血性持続勃起症は、持続勃起症全体の95%異常を占め、最も一般的なタイプです。

持続性勃起症 にはどういうタイプがあるのでしょうか?

持続勃起症の主なタイプは、虚血性と非虚血性です。虚血性持続勃起症は救急疾患です。持続勃起症の迅速な治療は、通常、勃起を取得または維持できなくなる可能性のある組織の損傷(勃起不全)を防ぐために必要です。

1)虚血性 持続勃起症

勃起時に血液は陰茎の静脈から流れ出せないか、陰茎の勃起組織内の平滑筋の収縮に問題があるため、陰茎海綿体内に静脈血がたまり、陰茎組織に十分な酸素が供給されないため、放置すると組織の壊死性変化を引き起こします。

陰茎シャフトは硬いですが、亀頭の先端は柔らかいです。陰茎の痛みが徐々に悪化します。

*陰茎シャフトは、身体と陰茎の頭部、または亀頭の間の部分です。 シャフトには、尿道と海綿体が含まれます。

2)吃音性 持続勃起症 —再発性または断続的持続勃起症とも呼ばれます—は虚血性持続勃起症の一形態です。まれな状態です。異常な形の赤血球(鎌状赤血球症)を特徴とする遺伝性疾患を持つ男性でより頻繁に発生します。吃音性持続勃起症は小児期に始まる可能性があります。日本では鎌状赤血球症の患者さんは少なく、日本ではまれと考えられています。

原因として最も多いのはプロスタグランジンE2や塩酸パパベリンの海綿体内注射、ED治療に用いられるホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬の過量投与などの医原性です。他に白血病、悪性リンパ腫、悪性腫瘍(膀胱癌、前立腺癌、大腸癌の海綿体への転移)、神経疾患(脊髄損傷など)、薬剤性(血管作動薬、抗うつ薬、抗精神病薬、アルファ遮断薬、ワルファリンやヘパリンなどの抗凝血剤、テストステロンやゴナドトロピン放出ホルモンなどのホルモン薬、アンフェタミン、降圧薬など)、鎌状赤血球症、特発性などがあります。

3) 非虚血性持続勃起症

非虚血性持続勃起症は、高流量持続勃起症とも呼ばれ、陰茎の動脈を通る血流が適切に機能していない場合に発生します。

勃起はしていますが、陰茎シャフトが完全に硬くなく、通常は痛みはありません。

原因:しばしば陰茎、会陰、骨盤の外傷が原因で発生します。

虚血性持続勃起症 と 非虚血性持続勃起症 をどういうふうに見極めますか?

1)問診(発症までの経過、発症時間、既往歴、薬歴)と視診から虚血性と非虚血性の鑑別はある程度可能です。

2)陰茎海綿体血液のガス分析は必要です。血液のサンプルを取り除くために小さな針が陰茎に挿入されます。血液中の特定のガスの量を測定するラボテストで、暗赤色(酸素が不足している)でpH<7.25、pO2<30mmHg、pCO2>60mmHgの静脈血を示唆する結果であれば虚血性と診断できます。一方、鮮紅色(十分に酸素がある)でpH>7.25、pO2>50mmHg、pCO2<60mmHgの動脈血を示唆する結果であれば非虚血性と診断します。

3)超音波検カラードプラも有用です。

虚血性または非虚血性持続勃起症を示唆する陰茎内の血流を測定するために使用できます。また、根本的な原因であるかもしれない怪我や異常を明らかにするかもしれません。虚血性持続勃起症では陰茎海綿体内の圧が亢進しているため、陰茎海綿体内に動脈の流れがほとんど、または全くみられません。非虚血性持続勃起症では陰茎海綿体内に動脈の流れが見えます。

4)CTをとることもあります。

非虚血性持続勃起症の場合、造影CTで陰茎海綿体動脈からの造影剤の漏出を確認出来ることが多いとのことです。

持続性勃起症 の治療はどうしますか?

1)虚血性持続勃起症

この状態が持続すると海綿体組織の線維化など不可逆的なダメージが生じるため、速やかな酸素化、陰茎海綿体内圧の軽減措置が必要です。まず余分な血液は、針と注射器を使用して陰茎から排出されます(吸引)。陰茎を生理食塩水で洗い流すこともできます。陰茎海綿体内の生理食塩水による洗浄・脱血を行います。この治療法はしばしば痛みを和らげ、酸素不足の血液を取り除き、勃起を止める可能性があります。この治療は、勃起が終わるまで繰り返される可能性があります。(その際に交感神経刺激薬の投与がすることもあります)反応に乏しい場合、陰茎海綿体と尿道海綿体間でのシャント手術を検討します。遅くとも受診後24時間以内には着手する必要があります。 2) 吃音性持続勃起症

非勃起時に交感神経刺激薬を投与し、その後の持続勃起が発生しなければいいです。繰り返し発生するならば、シャント手術を検討します。 3)非虚血性持続勃起症

陰茎海綿体の動脈血流不全により発生すると考えられています。会陰部における動静脈シャント形成がされていることが多く、カラードプラ超音波断層法やCT-angiographyなどで血流異常の部位を確認します。勃起自体は不完全な状態であるため、ある程度酸素化は保たれており経過観察することが可能です。治療なしでよくなることがよくあります。陰茎に損傷を与えるリスクがないため、医師は経過観察療法を提案する場合があります。会陰(陰茎の根元と肛門の間の領域)にアイスパックと圧力をかけると、勃起を終わらせるのに役立つ可能性があります。自然軽快しないようなら選択的動脈塞栓術を行います。

*交感神経刺激薬の投与

フェニレフリンなどの薬が陰茎に注射されることがあります。この薬は、陰茎に血液を運ぶ血管を収縮させます。この作用により、陰茎から血液を運ぶ血管が開き、陰茎からの血流が増加します

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