(指趾:手の指、足の指) 粘液嚢腫 ー手の指に半球状の膨らみができました-大和クリニック-木更津市の皮膚科

指趾粘液嚢腫 とはどんな病気ですか?

手の指や足の指の関節に生じる皮下結節(盛り上がり)で、ゼリー状の内容物が入っている嚢腫です。皮膚の下にムチン(糖とたんぱく質が結合してできた多糖類の一種)が局所的にたまったものです。一般的に指の遠位面に見られます。通常、皮膚色から半透明の弾力があり硬い孤立性病変です。

指趾粘液嚢腫 はどうしてできるのですか?

発症のメカニズムは解明されていませんが、外傷や刺激が誘因となっていると考えられています。現在、指趾粘膜嚢胞には2つのタイプがあるとされています。1つ目は、隣接する関節の内壁が拡張またはヘルニア化したものです。この形態は、関節内にある液体を含んでおり、外傷や関節炎に関係することもあれば、自然に発生することもあります。もう一つは、ムチンというゼラチン状の物質の沈着からなり、関節腔とは関係ありません。指や足の指の関節の周りの滑膜組織が変性すると、嚢胞が形成されます。嚢胞は、結合組織内の線維芽細胞がムチン(粘液の成分)を過剰に産生すると形成されます。このタイプの嚢胞は、関節の変性を伴いません。

指趾粘液嚢腫 はどの年齢に多いですか?

ほとんどの粘液様嚢胞は40 歳から 70歳の間の人に発生しますが、すべての年齢層で発生する可能性があります。男性の 2 倍の女性が罹患しています。

指趾粘液嚢腫 はどこにできますか?

通常手の指の爪に近い方の関節(指先に一番近い関節)の背面(爪がある方の面)にできます。足の指の関節にもできます。

指趾粘液嚢腫 の症状はどういうものですか?

通常痛みはありません。大きくなると押すと痛い、違和感、痛みなどがでることがあります。近くの関節に関節炎の痛みがある場合があります。小さな丸いまたは楕円形の隆起です。肌色、または赤みがかったまたは青みがかった半透明です。大きさは最大 1 cm程 です。爪の付け根近くに形成された場合は、嚢腫の圧迫のために、爪甲には縦に走る溝がよく生じます。また、変形したりすることもあります。

指趾粘液嚢腫 はどのように診断しますか?

診察時に病変をみると見当がつきます。ゼリー状の粘液を注射器で吸引することにより、診断することができます。確定診断のためには、粘液を調べて、ヒアルロン酸を確認するための顕微鏡検査が必要です。小さな病変を確認したいとき、また詳しい評価のために、超音波検査やMRI検査などを実施するケースもあります。

指趾粘液嚢腫 の治療はどうするのですか?

良性の病気です。自覚症状がない場合は経過観察で良いです。見た目を気にされる場合や症状がある場合は治療をおこないます。粘液様嚢胞が突然大きくなり、痛みを伴い、赤く熱くなった場合、これらの症状は感染を示している可能性があり、抗生物質が使用されます。

1)穿刺・吸引

根本的な治療方法ではないため、繰り返し行う必要がありますが、再発が多いですが、複数回実施することで寛解(かんかい)を得られる例もあります。穿刺吸引術を行ったあと、少量のステロイド薬を注入することもあります。穿刺後圧迫することもあります。

2)凍結療法、レーザー治療

凍らせたり、焼いたりします。

3)切除術

局所麻酔をかけ、根治を目的として病変を十分に切除します。

指趾粘液嚢腫と一見似ている手首にできる病気は何ですか?

ガングリオンです。

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