勃起(ぼっき)したときだけ、痛いのはなぜ?(有痛性勃起) ペロニー病 -大和クリニック-木更津市の泌尿器科

Iさんはあるとき陰茎に違和感を感じました。でもそのまま気にしないでいました。勃起をしたとき痛みが出て、陰茎を触ってみたら、しこりが触れました。なんだか少し右側に曲がっているように思えました。ショックでした。クリニックに行くと、なんだか変な病名を言われました。

1) 陰茎 (ペニス)が勃起したときだけ痛い時、どんな原因があるでしょうか?

外傷(ぶつけたとか、挟まれたとかーーー)の場合、傷が癒(い)えてなければ痛みが来るのは想像がつきます。

それ以外の場合、ペロニー病、持続性勃起症、睡眠関連有痛性勃起などがあげられます。

2)さて ペロニー病 とはどんな病気でしょう?

(Peyronie disease)は日本語で陰茎硬化症と言います。ぺロニー病、ペイロニー病、パイロニー病とも記されています。1793年にフランスの医師Francois de la Peyronieによって報告された病気です。音声ソフトで聞くとペロニーが一番近いように聞こえましたが、先入観があるせいかもしれません。フランス人が発音するとまた違うかもしれません。私が知っているフランス語を話せる人は、大学の先輩の仲田和正先生です。専門は整形外科で、わかりやすい整形外科の本などを書かれている方です。学生時代から有名な英語のハリソン内科学を読破したとか(又聞きで不確かですが)噂で聞いていたのです。博識の方で、トップ誌に学ぶ性感染症の診断と治療の一節で『L’ étranger(異邦人)』を原文で漸く通読しましたと書かれていました。仲田和正先生にお聞きすれば分かるのでしょうが、おそれおおくてお聞きしていません。

3) ペロニー病 はどんな病気なのでしょうか?どこに痛みの原因があるのでしょうか?

陰茎海綿体(陰茎の背側にある左右一対の棒状のもので、白膜と呼ばれる強靭きょうじんな結合組織性の被膜でおおわれ、勃起に関与します)その白膜にしこり(線維性瘢痕組織:陰茎の皮膚の下に平らな塊または硬いの帯状のものとして感じられます。)ができ、勃起時の痛み(勃起の有無にかかわらず、陰茎の痛みがあるかもしれません)、通常は勃起中に陰茎が曲がったり、陰茎が短くなったり、勃起障害(多くの場合、男性はペロニー病の症状が始まる前に勃起障害を起こしています)が起こり性交障害の原因となります。 ストレスや不安も引き起こします。陰茎の形と大きさに影響しますが、排尿や射精には影響しません。ペロニー病が自然に治ることはあまりありません。ペロニー病のほとんどの男性では、状態はそのままであるか進行性の病気で徐々に湾曲がひどくなることもあります。症状が現れた直後の早期治療は、症状が悪化するのを防ぎ、症状を改善することさえあります。一般に、活動期または急性期と安定期または慢性期の2つの段階に分けられます。急性期は通常6ヶ月(短くて2~4週間)から12ヶ月(長くて18ヶ月)続きます。この期間中、陰茎の皮膚の下に瘢痕が形成され、その形状に陰茎が曲がったりその他の変化が生じます。慢性期には通常、痛みが完全に消失し、陰茎の変形が安定する傾向があります。慢性期は症状が最初に現れてから通常12〜18か月後に始まります(もっと前になることも)。勃起時の痛みは通常1〜2年以内に改善します。

ペロニー病 の頻度はどの程度でしょうか?

年とともに頻度が増します。欧米では2%~15%と報告により様々です。性的または非性的活動(スポーツなど)が陰茎に微小な損傷を引き起こす男性は、ペロニー病を発症する可能性が高くなると言われています。

ペロニー病 の診断はどのようにすれば良いでしょうか?

生まれつき陰茎海綿体がバランスよく発達しなかったために、勃起したときに陰茎が湾曲している場合は先天性陰茎湾曲症です。また陰茎にしこりが触れる場合は、癌など悪性のものと間違わないようにしないといけません。

病歴と薬歴、家族歴(あなたの家族の誰かがペロニー病や他の病状を持っていますか?)、および身体検査(主に陰茎のしこりを触診します、勃起した陰茎の写真を持ってくるように頼むかもしれません)に基づいてペロニー病を診断します。超音波検査は、陰茎の異常に対して最も一般的に使用される検査です。超音波検査では、瘢痕組織の存在、陰茎への血流、その他の異常を示すことができます。しばしば石灰化が確認できます。MRIを撮ることもあります。

ペロニー病 の治療はどのように行われていますか?

①急性期

ケロイド防止のトラニラストやビタミンEの内服治療が主な治療です。薬物治療に反応し症状が改善するのは半数以下です。パラアミノ安息香酸、コルヒチンなどが使用されることもあります。また経過観察のみでの対応もあります。

②慢性期

局所注射

一旦出来上がったプラークに対しての局所注射はアメリカのFDAが承認した唯一の薬は、コラゲナーゼクロストリジウムヒストリチカム(Xiaflex)です。この薬は、中等度から重度の湾曲と触知可能な結節を持つ成人男性での使用が承認されています。陰茎の湾曲を引き起こすコラーゲンの蓄積を分解することによって機能します。日本ではまだ使用できません。

ベラパミル、インターフェロンなども使用されています。

手術

慢性期は、症状が出現してから約1年後以降に、症状が悪化しないことを確認後に手術が検討されます。

血液型がO型、年齢、陰茎の外傷の既往、高血圧がある例では有意にペロニー病のリスクが上昇したそうです。

TEL:0438-25-2515