肉芽腫性口唇炎―長く唇が腫れています-大和クリニック-木更津市の皮膚科

肉芽腫性口唇炎とはどういうものですか?

慢性に口唇の腫脹を呈する肉芽腫性疾患です。口唇の腫脹が突然見られ、時に頬粘膜、前額部、眼瞼、舌の腫脹を伴います。慢性、再発性に口唇部が腫脹します。

肉芽腫性口唇炎の原因は何ですか?

原因は不明です。遺伝性、炎症性、アレルギー性、感染性などの機序が提唱されています。

肉芽腫性口唇炎の好発年齢は何歳ですか?

発生率は一般人口の 0.08%です。あらゆる年齢層に起こりますが、若い成人20 歳から 40 歳の間に発生率のピークが報告されています。小児にはまれです。性差はありません。

肉芽腫性口唇炎の症状はどういうものですか?

口唇の紅斑や浮腫性腫脹で始まり、通常かゆみや痛みは伴いません。寛解、増悪を繰り返す内に次第にゴム様の硬さになり、腫脹が持続性になります。肉芽腫性口唇炎の再発発作は、最初のエピソードから数日または数年以内に発生する可能性があります。 エピソードごとに、腫れはより大きくなり、持続性が増し、最終的には永続的になることがあります。この時点で、唇がひび割れ、出血し、治癒して、鱗屑を伴う赤褐色が残ることがあります。これは痛みを伴うことがあります。まれに、唇の腫れによって発話が困難になったり、よだれが出たりすることがあります。発熱、頭痛、視覚障害を伴うこともあります。50%の人で所属リンパ節の軽度の拡大があります。20 ~ 40% の人で、ひび割れまたは襞のある舌を伴います。

肉芽腫性口唇炎との検査はどうしますか?

歯科金属のあるときは、パッチテストを検討します。口腔にの検査(パノラマX線撮影など)を歯科と連携して行います。

 

肉芽腫性口唇炎の診断はどうしますか?

臨床所見を元に、生検を行います。

肉芽腫性口唇炎の治療はどうしますか?

原因疾患があるときは、その治療を行います。

口腔内感染巣の治療、アレルゲンの除去、ステロイド外用、内服、局所注射、プロトピック軟膏外用、トラニラスト内服、抗生物質の内服などを行います。

肉芽腫性口唇炎の合併症はどういうものですか?

1)顔面神経麻痺、ひだ状舌を合併したものは、メルカーソン・ローゼンタール症候群といいます。

2)クローン病患者さんの0.5%に肉芽腫性口唇炎を認めるという報告があります。従って消化器症状に注意が必要です。

肉芽腫性口唇炎に似ている病気とはどういうものですか?

血管性浮腫、口唇ヘルペス、接触口唇炎、剥離性口唇炎、サルコイドーシスなど。

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