陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)たまたまが大きいです-大和クリニック-木更津市の泌尿器科

陰嚢水腫の原因は何ですか?

精巣(たま)が腹腔内(おなかのなか)から下降して陰嚢部(男性のまたの間にあるたまのふくろ)におりる際、精巣をおおっている腹膜の一部である鞘状突起(うすいまく)は精巣とともにおりてきます。この薄い腹膜の延長した鞘(さや)の中に液体が貯留してしまったものが、陰嚢水腫(陰嚢だけにたまったもの)や精索水瘤(陰嚢の頭側の精索にたまったもの)などです。子供の陰嚢水腫や精索水瘤のほとんどは延長した腹膜の筒が閉鎖不全を起こしたものです。閉鎖不全が大きいと腸も出てくるためそけいヘルニアを合併します。子供の陰嚢水腫の多くは腹腔との交通性がおおきな要因です。

大人の場合、体液の過剰産生(続発性水腫)、体液の吸収不全、4. フィラリア性水腫のように、陰嚢からのリンパ管ドレナージが阻害される場合などが原因とされています。感染症(フィラリア症、精巣上体結核、梅毒)、外傷(外傷、皮弁形成術後の水腫)、悪性腫瘍などの基礎疾患の結果として起こります。

陰嚢水腫の頻度はどのくらいですか?

出生時、約80~90%の正期産の男児は鞘状突起が開存しているますが、2歳時には約25~40%に落ち着くそうです。

陰嚢水腫の症状はどういうものですか?

一般に無症状です。大きい陰嚢水腫では、まれに陰嚢部の疼痛や不快感があります。多くは交通性のため朝方、起床時には小さく、夕方入浴時に大きいという変動があります。また寝た姿勢ではあまり目立たなくなります。

陰嚢水腫の診断はどうしますか?

ライトを当てることにより透光性を示すのが特徴です。そけいヘルニアでも消化管のガスの貯留で透光性を示すこともあり、超音波検査が重要です。

陰嚢水腫の治療はどうしますか?

経過観察

陰嚢水腫では、乳児の約90%、幼児の約60%、学童の約30%が、小児全体で70~80%が一定期間内に自然に消失すると言われています。

手術の適応

3~4才を過ぎても鶏卵大くらいの大きさで縮小傾向のなく、本人が腫大を気にしたり、痛みがあったり、排尿や歩行に支障がある場合

学童は原則行います。大きさが小さい方は経過観察でも良いです。

年長児で発症する方、陰嚢から腹腔に及ぶ巨大なもの。

そけいヘルニアや停留精巣にを合併している方。

成人では、基礎疾患がない場合、小さい場合経過観察でもいいです。また一時的に穿刺吸引処置(小児では行いません)を行ったりします。穿刺吸引後の血腫および感染のリスクがあります。吸引後に硬化剤(テトラサイクリンまたはドキシサイクリン)を注射する方法が有効であることが証明されていますが、痛みを伴います。基本は手術です。

陰嚢水腫に似ている病気は何ですか?

精巣腫瘍、そけいヘルニア、精液瘤、精索静脈瘤などです。

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