薬疹 :薬が悪さしてブツブツができ、かゆみがあります-大和クリニック-木更津市の皮膚科

薬疹 とはどういうものですか?

薬またはその代謝産物が原因で生じる皮膚、粘膜のブツブツです。

薬疹 の機序はどういうものがありますか?

アレルギー性と非アレルギー性があります。

アレルギー性では、5日~2週間程度で感作が成立します。既に感作が成立している場合、すぐ起こるタイプでは数分~数十分で、遅れてくるタイプでは数時間~2日以内にぶつぶつが起きます。

*感作とは特定の抗原を与えて、その抗原に対し過敏状態にすることです。薬を飲んだり、湿布として貼ったりして、その薬に対して体が過敏状態になることです。

非アレルギー性では薬自体の作用により、誰にでも起こります。

薬疹 を起こしやすい薬とはどういうものがありますか?

抗菌薬(バクタなど)、解熱鎮痛剤(セレコックスなど)、抗痙攣薬(テグレトール、アレビアチンなど)、抗がん剤、ザイロリックなどが多いです。

原因の薬(被疑薬)をどのようにして特定しますか?

新規開始薬剤、薬剤変更歴、薬疹の既往、皮疹の出現時期、皮疹の性状などから絞り込みます。

1)医師が疑った薬剤

2)皮疹出現前(2ヶ月前から直前まで)に開始された薬剤、3ヶ月前では可能性が低くなります。皮疹出現の2週間前に中止、終了した薬剤を被疑薬に含めることはしません。

3)薬の添付文書に重症薬疹、多形紅斑の記載がある薬剤

4)薬剤情報、文献に薬疹の記載がある薬剤

などを被疑薬とします。

薬疹 の症状はどういうものがありますか?

発赤、膨らみ、水ぶくれ、じんましん、かゆみ、いたみなど様々の症状が出現します。

粘膜の発疹、びらん、水疱を伴い、発熱、臓器障害などを伴う場合、重症薬疹の可能性を考えます。

薬疹 の検査、診断はどうしますか?

血液検査(一般的に血球数、肝機能、腎機能、CRPが含まれます。好酸球増加症は存在する場合と存在しない場合があり、最近発症した場合を除き、非特異的です。)

原因薬剤の同定には、皮膚プリックテスト、スクラッチテスト、パッチテスト、皮内テスト、薬剤誘発性リンパ球刺激試験(DLST)、誘発試験(危険を伴います)などを行います。光線過敏症型薬疹を疑うときは、光パッチテスト、内服照射試験などを行います。

薬疹 の治療はどうするのですか?

原因薬剤を中止します。軽症ではステロイド外用薬、抗アレルギー剤内服を行います。中等症ではステロイドの全身投与、重症では、ステロイドパルス療法や高用量ステロイド全身投与、臓器障害や感染症などの治療、全身管理が必要です。

薬疹 に似た病気はどういうものがありますか?

風疹、麻疹、伝染性単核症などのウイルス感染症などと鑑別が必要です。薬は具合が悪い時、感染症がある時などに内服する場合がほとんどなので、薬疹かウイルス感染かの区別が難しい事が多いです。

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